初めての転職、在職中は何から始める?応募前の5ステップと1週間チェックリスト
求人を眺めるだけで動けない在職中の20〜30代に向けて、平日30分・休日90分を目安に、応募前の7日間で作る5つのメモと8日目の判断方法を具体化します。
在職中に初めて転職するなら、最初にすることは応募でも退職の連絡でもありません。まず1週間かけて、次の5つを用意しましょう。
- 転職で変えたいことのメモ
- 準備に使える時間の予定表
- 希望条件の仮リスト
- 職務経験の素材メモ
- 求人3件の観察記録
ハローワークも、就職活動を「自己分析・労働市場の分析」「希望条件と優先順位の決定」「求人検索」「応募準備」「応募」の順で案内しています。最初から履歴書を完成させようとせず、目的と条件を整理してから求人を見ると、次の作業を決めやすくなります。ハローワーク「就職活動の進め方」
ここで紹介する5ステップは法律上の義務でも、内定につながる公式でもありません。初めての人が無理なく着手するための編集上の順番です。1週間で転職の結論を出す必要はなく、応募するかどうかは8日目に判断すれば十分です。
初めての転職で在職中は何から始める?応募前の5ステップ
ステップ1:1日目は「変えたいこと」を3つ書く
紙や私物のメモアプリに、今の仕事で変えたいことを3つ書きます。あわせて、次の職場でも維持したいことを1つ挙げましょう。15〜30分が目安です。
たとえば「残業がつらい」だけで終わらせず、次のように確認可能な条件へ置き換えます。
- 残業がつらい → 所定労働時間や時間外労働の実態を確認する
- 仕事が合わない → 増やしたい業務と減らしたい業務を分ける
- 通勤が負担 → 勤務地、転勤、在宅勤務の条件を確認する
不満を否定する必要はありません。ただし、「何を変えたいか」が曖昧なまま求人を探すと、知名度や給与額だけで判断しやすくなります。まずは次の職場で確認する項目に変換することが大切です。
ステップ2:2日目は準備時間を先に確保する
在職中は、仕事と並行して準備時間を作る必要があります。厚生労働省のマイジョブ・カードも、忙しい場合は転職活動に集中しにくく、長期化する可能性があると案内しています。マイジョブ・カード「転職活動はいつから始めるのが理想的?」
そこで、2日目は15分だけ使い、今週のカレンダーに作業枠を入れます。一例は次のとおりです。
- 平日:30分を2回
- 休日:60〜90分を1回
- 7日目:振り返り20分
先に繁忙日、家庭の予定、睡眠や休息を入れ、残った時間から無理のない枠を選びます。この時間割は転職活動全体の必要期間を示すものではありません。勤務時間中に進めたり、会社の端末やメールを無断で使ったりせず、勤務先の規程も確認してください。
ステップ3:3日目は希望条件を仮分類する
20分を目安に、希望条件を次の3つへ分けます。
- 譲れない条件:1つ
- できれば満たしたい条件:2つ
- まだ決めない条件
候補は、仕事内容、給与、勤務地、勤務時間・休日、雇用期間などです。最初から完璧に決める必要はありません。たとえば「勤務地は譲れない」「給与と仕事内容は求人を見て再検討する」のような仮決定で構いません。
求人を見る際は、業務や勤務地の変更範囲も確認項目になります。有期契約なら、更新基準や通算契約期間・更新回数の上限も確認しましょう。これらは2024年4月から募集時の明示事項に追加されています。厚生労働省「募集時等に明示すべき事項」
ステップ4:4〜5日目は職務経験を事実だけで棚卸しする
各日30分ほど使い、次の項目を箇条書きにします。
- 会社・部署ごとの在籍期間
- 担当した業務と役割
- 工夫したこと
- 記録で確認できる結果
- 資格や学習歴
この段階では職務経歴書を完成させません。応募書類の材料を集めることが目的です。マイジョブ・カードには、職歴、資格・学習歴、価値観などを整理するシートがあります。マイジョブ・カード「求職者の方へ」
在籍期間や資格、成果は確認できる事実だけを書き、他人の実績を自分の成果にしないでください。顧客名、個人情報、未公開の業績、社内資料、ソースコードなどの機密情報も持ち出さず、応募書類へ記載しません。
履歴書や職務経歴書の形式は応募先によって異なります。作成へ進む段階では、企業の指定とハローワークの応募書類資料を確認できます。
ステップ5:6日目は応募せず、求人を3件だけ見る
休日などに60分を確保し、希望に近そうな求人を3件だけ探します。比較表には次を転記してください。
- 仕事内容と必須条件
- 給与
- 勤務時間・休日
- 勤務地
- 雇用期間
- 業務・勤務地の変更範囲
- 有期契約の場合は更新基準や上限
見つからない項目は「制度なし」ではなく「未確認」と記録します。求人票と企業の公式採用情報を照合し、曖昧な点は応募前や選考中に確認する質問として残しましょう。
求人票は最終的な契約条件そのものではありません。採用時には個々の労働者へ労働条件が明示されるため、選考が進んだ後も、書面などで提示された内容を改めて確認する必要があります。厚生労働省「求人誌の条件と実際の条件が違っていた場合」
7日目に確認すること:応募するかはまだ保留でもよい
7日目は20分だけ振り返ります。希望条件と3件の求人を比べ、翌週の行動を次の中から1つ選びましょう。
- 希望条件を見直す
- 経験メモの不足を補う
- 履歴書・職務経歴書の作成へ進む
- ハローワークなどの公的窓口へ相談する
- 条件が合う求人への応募を検討する
3件とも合わなければ、すぐに妥協する必要はありません。「希望条件が厳しい」のか、「検索語や職種の選び方が違う」のかを切り分け、ステップ1〜3へ戻ります。
失敗しやすい3つの進め方
求人検索だけを続ける
判断基準がないまま大量の求人を見ると、比較項目が増えて手が止まりやすくなります。まず譲れない条件を1つ決め、最初は3件に絞ってください。
最初の週に書類を完成させようとする
経験の整理前に文章を整えると、内容を盛ったり、重要な経験を落としたりする原因になります。1週目は正確な素材メモまでで十分です。
応募前に退職日を決め打ちする
転職活動の大まかな順番は「応募準備→応募・面接→労働条件の確認→内定承諾の判断→退職申出・引継ぎ→入社」です。ただし、在職中の活動がすべての人に適するとは限りません。健康、安全、ハラスメント、家庭事情、経済状況によって判断は異なります。
退職の申出時期も一律ではありません。無期契約か有期契約かで扱いが異なり、雇用契約、労働条件通知書、就業規則や個別事情の確認が必要です。厚生労働省「退職、解雇、雇止めなど」 判断に迷う場合は、勤務先の担当部署、ハローワーク、労働局などの公的窓口や専門家へ相談してください。
今日できる小さな一歩
今から15分で、次の3つだけ実行してみましょう。
- 「転職で変えたいこと」を3点書く
- 今週確認したい条件を1つだけ丸で囲む
- 30分の作業枠をカレンダーへ登録する
初めての転職では、最初から応募先や退職日まで決めなくても大丈夫です。1週間の目標は、応募することではなく、自分が判断できる材料を5つそろえること。小さな作業に分ければ、在職中でも次に何をすべきかが見えやすくなります。