履歴書の退職予定日は変更してもいい?一次面接で入社可能日を訂正・相談する手順
在職中で、履歴書に書いた退職予定日では引き継ぎが難しいと気づいた人向けに、現実的な退職日・入社可能日の逆算方法、一次面接での伝え方、事前メール例、退職後の手続きまで解説します。
結論:無理に守ろうとせず、分かった時点で訂正・相談する
履歴書に書いた退職予定日が、現職と合意済みの確定日ではなく自分で想定した「見込み」なら、現実に合わない日程を無理に守ろうとする必要はありません。就業規則や引き継ぎ期間を確認し直し、実行できる入社可能日を応募先へ早めに相談しましょう。
大切なのは、日程が変わった事実を隠さず、次の4点を順番に伝えることです。
- 履歴書の記載を訂正したいこと
- 就業規則や引き継ぎ工程を再確認したという理由
- 現実的な入社可能日
- 退職日を確定して報告できる時期
変更が直ちに不採用につながると決まっているわけではありません。一方で、求人の充足時期や研修日程によっては、応募先が希望日を受け入れられない可能性もあります。採用結果を保証できる伝え方はありませんが、確認していない短い日程を約束するより、根拠のある見込みを誠実に示すほうが行き違いを防げます。
最初に3つの日付を分ける
初めての転職では、次の日付を混同しやすいため注意が必要です。
- 最終出社日:実際に職場へ出勤する最後の日
- 退職日:現職との雇用契約が終了する日
- 入社日:転職先との雇用契約が始まる日
最終出社日の後に有給休暇を取得する場合、最終出社日と退職日は異なります。引き継ぎに使う勤務日と有休日を同じ日として二重に数えず、休日も含めてカレンダーに書き込みましょう。
応募先によっては入社日を毎月1日などに定めていることもあります。退職日の翌日を自由に入社日にできるとは限らないため、募集要項や採用FAQを確認し、不明なら採用担当者へ尋ねます。
現実的な退職日を逆算する手順
1.雇用契約の種類を確認する
労働条件通知書や雇用契約書を開き、契約期間の有無、契約満了日、更新履歴を確認します。
期間の定めがない契約では、法律上は退職の申出から14日が経過すると退職になるのが一般原則です。ただし、これは誰でも一律に「2週間で円満退職できる」という意味ではありません。厚生労働省の教材も、退職予定日の1か月前までなどと定める会社が多いとして、就業規則の退職規定を確認するよう案内しています。
有期契約は、原則として契約期間の途中では退職できず、途中解除には「やむを得ない事由」が必要です。ただし、1年を超えて3年以内の契約では、一定の例外を除き、働き始めて1年が経過した後に退職を申し出られる制度があります。すべての有期契約に当てはまるわけではないため、厚生労働省の説明と現在の契約書を確認し、判断が難しければ労働局や弁護士へ相談してください。
2.就業規則と申出手順を確認する
就業規則で、退職の申出期限、提出書類、申出先を調べます。就業規則は労働者が必要なときに確認できるよう周知する必要があり、閲覧を求めた場合、会社は見せなければならないとされています。ただし、常時10人未満の事業場などでは作成義務がない場合もあります。その場合は、雇用契約書や社内規程を確認し、人事へ退職手続きを問い合わせましょう。
3.引き継ぎと有休を別々に数える
担当業務、定例作業、関係者への連絡、後任への説明に必要な勤務日数を洗い出します。そのうえで、有休の残日数と取得希望日を確認します。
年次有給休暇は原則として労働者が指定した時季に与えられ、事業の正常な運営を妨げる場合には会社が別の時季へ変更できます。ただし、退職日を越えた日への変更はできません。大阪労働局の案内も参照しながら、残日数や計画年休を会社へ確認してください。
4.応募先の受け入れ日から調整幅を作る
「最短なら入社できそうな日」と「余裕を持って約束できる希望日」を分けます。例えば、最短が6月16日、確実性の高い希望日が7月1日なら、両方を伝えると応募先が検討しやすくなります。
マイナビの調査では、2024年に転職した全国の20~50代正社員のうち、在職中に転職した1,104人について、内定通知から前職退職までが平均37.7日、転職先入社までが平均49.0日でした。ただし、これは転職を実現した人の自己回答による平均で、20代・30代だけの平均でも、守るべき期限でもありません。原典調査を目安の一つにとどめ、自分の契約、規程、引き継ぎ、有休、応募先の受入日から逆算しましょう。
一次面接の前に訂正する方法
面接まで日数があるなら、採用担当者から指定されたメールや応募システムで早めに連絡します。面接直前なら、先に連絡したうえで、当日の冒頭でも確認すると確実です。修正版の履歴書が必要かどうかは応募先へ尋ねてください。
企業によって入社日の運用は異なります。面接中に意向を確認し、内定後も相談して調整すると公式に案内している企業もありますが、これは全社共通のルールではありません。応募先の募集要項や採用担当者の回答を優先しましょう。
事前メールの例
件名:入社可能日の訂正・ご相談(氏名/応募職種)
採用ご担当者様
お世話になっております。○○職に応募しております○○です。
提出した履歴書には「○月末退職予定」と記載しましたが、就業規則と引き継ぎ工程を再確認した結果、現時点では○月○日退職、○月○日以降の入社が現実的な見込みです。
退職日は○月○日までに現職と調整し、確定次第すぐにご連絡いたします。記載内容を訂正のうえ、面接でもご相談させていただけますでしょうか。
必要であれば修正版の履歴書を提出いたします。
何卒よろしくお願いいたします。
長い弁明は不要です。「訂正前の日付・訂正後の見込み・理由・確定予定日」が一読で分かるようにします。
一次面接での伝え方
面接では、次のように説明できます。
提出した履歴書では○月末退職予定と記載しましたが、就業規則と引き継ぎ工程を再確認した結果、現時点では○月○日退職、○月○日以降の入社が現実的な見込みです。退職日は○日までに現職と調整し、確定次第すぐご連絡します。記載内容を訂正してご相談させてください。
まだ現職へ退職を申し出ていないなら、「退職日が確定しています」とは言わず、「調整中」「見込み」と明示します。応募先から早い入社を求められた場合も、その場で即答せず、いつまでに確認して返答できるかを伝えましょう。
失敗しやすい点
避けたいのは、次のような対応です。
- 規程を確認せず、翌月入社を確約する
- 最終出社日と雇用契約上の退職日を混同する
- 未確定の日を「確定」と説明する
- 現職を一方的に非難して変更理由にする
- 家庭事情や健康上の理由を作るなど、虚偽の説明をする
- 無断欠勤や突然出勤しなくなることを前提にする
- 引き継ぎ資料、顧客情報、社内データを個人端末などへ持ち出す
引き継ぎ資料は会社が指定する保存場所で管理し、自己PR目的でも複製・持ち出しをしないでください。
日程が決まった後に確認すること
退職日と入社日は口頭だけで済ませず、現職・転職先それぞれと書面やメールで再確認します。あわせて、貸与PC、携帯電話、社員証、鍵、カード、紙資料、アカウントなどの返却対象と期限を一覧にしましょう。
退職証明書は、使用期間や業務の種類など必要な事項を請求した場合、会社が遅滞なく交付する書類で、離職票とは別物です。離職票、雇用保険被保険者証、源泉徴収票など、何が必要かは退職後すぐ入社する場合と空白期間がある場合で異なります。源泉徴収票は、中途退職者には原則として退職後1か月以内に交付されます。
次の会社まで期間が空く場合は、健康保険に加え、原則として国民年金への切り替えが必要になることがあります。扶養に入る場合などは扱いが異なるため、現職・転職先の人事、自治体、健康保険組合、日本年金機構、ハローワークなどへ個別に確認してください。
今日できる小さな一歩
まず15分だけ取り、カレンダーに「退職申出日」「引き継ぎに必要な勤務日」「最終出社日」「有休希望日」「退職日」「入社希望日」を別々に書いてみましょう。次に、雇用契約書と就業規則を開き、確認できない項目へ印を付けます。
法令、行政手続き、雇用条件の扱いは、契約形態、会社の規程、個別事情によって異なります。分からない点を残したまま短い日程を約束せず、勤務先の人事や応募先の採用担当者、公的窓口へ一つずつ確認することが、現実的な入社可能日を伝える第一歩です。