内定後、退職はいつ・どう伝える?上司への切り出し方と例文、引き継ぎまでの手順

正式な内定の確認から、退職日の逆算、上司への面談依頼、引き留めへの返答、引き継ぎ、退職後の手続までを初めて転職する人向けに整理します。

結論:内定条件と現職のルールを確認してから伝える

退職を申し出る前に、まず転職先の正式な内定と労働条件を文書で確認しましょう。そのうえで、現職の契約期間、就業規則の申出期限、引き継ぎと年休に必要な日数を調べ、希望退職日から逆算します。

大切なのは、「法律上いつ契約が終わるか」「会社の規程ではいつまでに申し出るか」「円滑な引き継ぎに何日必要か」を混同しないことです。「全員が1か月前」「2週間前なら問題ない」と一律には決められません。

退職を伝える前に確認するもの

転職先の書類

内々定や口頭連絡だけで急いで現職へ伝えず、内定通知書、労働条件通知書、雇用契約書などで次を確認します。

  • 会社名、雇用形態、入社日、契約期間、試用期間
  • 勤務地・業務内容とそれぞれの変更範囲
  • 賃金、固定残業代、勤務時間、休日・休暇、社会保険
  • 有期契約なら更新基準、更新上限の有無と内容
  • 内定承諾の手続や取消条件

内定の法的な扱いは通知内容やその後の手続によって異なり、内々定と同じとは限りません。主要な労働条件は原則として書面で明示されます。内容が不足していれば、転職先の採用担当者へ確認してください。採用内定・内々定の注意点採用時の労働条件明示

現職の書類

雇用契約書で「期間の定め」の有無、契約開始日、満了日、更新履歴を確認します。「正社員」「契約社員」という呼び方だけでは判定しません。

就業規則では、申出期限、最初の提出先、必要書類、会社所定の様式を確認します。就業規則は労働者が必要なときに確認できる状態にする必要があるため、保存場所が分からなければ人事や総務へ尋ねられます。就業規則の閲覧に関する案内

「2週間前」と「会社の期限」は別の話

期間の定めがない契約では、退職の申入れから原則2週間で契約が終了します。会社の承諾が退職成立の必須条件になるわけではありません。ただし、これは法律上の原則であり、引き継ぎや社内手続を含む実務上の推奨期間ではありません。厚生労働省の退職ルール

有期契約を期間途中で辞める場合は、原則として「やむを得ない事由」が必要です。一方、1年を超える有期契約では、一部の例外を除き、契約開始から1年経過後は申し出により退職できる特則があります。有期労働契約の契約期間

該当するか分からない場合は、自己判断で入社日を確定せず、公的窓口へ確認しましょう。法令上の扱い、会社の規程、個別の契約条件によって結論が変わることがあります。

希望退職日から逆算する手順

次の順番でカレンダーへ書き込みます。

  1. 転職先の入社日を確認する
  2. 現職の退職希望日を置く
  3. 年休を使う場合は、退職日より前に取得日を置く
  4. 年休前の最終出勤日を決める
  5. 最終出勤日までに必要な引き継ぎ期間を見積もる
  6. 就業規則の期限も踏まえ、上司へ報告する日を決める

たとえば、退職日が6月30日、年休取得が6月24~30日なら、最終出勤日は6月23日です。引き継ぎに15営業日必要なら、そこからさらに逆算します。退職日は契約終了日、最終出勤日は実際に働く最後の日であり、同じとは限りません。

年休は原則として労働者が指定した時季に与えられ、退職日で権利が消滅します。残日数と申請方法を確認し、引き継ぎの出勤日と年休日を重ねないよう調整してください。年次有給休暇のルール

上司への切り出し方と例文

就業規則に指定がなければ、まず直属の上司へ、ほかの人がいない場で面談を依頼します。チャットだけで退職の詳細を済ませず、短い面談時間を確保しましょう。

面談依頼の例

お伝えしたいことがあり、30分ほど個別にお時間をいただけますか。

意思が固まっているなら、許可を求める形ではなく、退職する意思と希望日を簡潔に伝えます。

面談での例

個人的なキャリア上の判断として、退職を決めました。希望退職日は○月○日です。必要な手続と引き継ぎ日程を確認させてください。

「キャリア上の判断」という表現も、自分の事実に合う場合だけ使います。詳しい不満を並べる必要はありませんが、家庭事情や病気などの架空の理由も作らないでください。転職先を聞かれても、虚偽を伝えず、「詳細は差し控えます」と返せます。

引き留めを受けても、その場で感情的に反論する必要はありません。意思が変わらない場合は、次のように日程の話へ戻します。

ご提案はありがたいのですが、退職の意思は変わりません。希望日と引き継ぎ方法について確認をお願いします。

引き継ぎで残す7項目

引き継ぎ表には、担当業務、期限、関係者、作業手順、資料の保管場所、未解決事項、システム権限の移管先をまとめます。後任者が未定なら、上司が指定した暫定担当者へ渡せる形を提案します。後任者の採用まで自分で背負う必要はありません。

資料は会社が指定する場所へ保存し、顧客情報や社内資料を私物端末、個人クラウド、転職先へ持ち出さないでください。営業秘密の不正持出しは、民事・刑事上の問題になる可能性があります。経済産業省の営業秘密に関する案内

失敗しやすい点と困ったときの確認先

よくある失敗は、口頭の内定だけで退職を伝える、無期・有期を確認しない、退職日と最終出勤日を混同する、年休を最後にまとめて考える、退職理由を作る、無断欠勤することです。面談、書類提出、会社からの回答は、守秘義務に反しない範囲で日時と内容を記録しましょう。

退職日と次の入社日の間が空く場合は、健康保険と年金の手続も必要になることがあります。健康保険は任意継続、国民健康保険、家族の被扶養者などの選択肢があり、協会けんぽの任意継続は原則として資格喪失日から20日以内の申出が必要です。退職後の健康保険転職時の国民年金手続

退職の受取り拒否、長期間の退職禁止、有期契約の途中退職、年休、損害賠償請求などで迷ったら、一方的な欠勤や対立を避け、無料・予約不要の総合労働相談コーナーへ相談できます。会社や個別事情によって扱いが異なるため、必要に応じて勤務先、保険者、市区町村、年金事務所、法律の専門家にも確認してください。

今日できる小さな一歩

今日は15分だけ使い、転職先の書類で「入社日と労働条件」、現職の雇用契約書で「契約期間」、就業規則で「申出期限と提出先」を確認しましょう。この3点がそろえば、希望退職日から報告日を逆算できます。

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